旧車のレストア依頼を受けるたびに思うことがあります。
「これ、どう説明しよう」
お客さんに「どのくらいかかりますか?」と聞かれても、正直なところ最初の段階では答えられないことが多い。
今回はその理由を、板金屋目線で正直に話します。
💡 旧車レストアが時間読めない理由は複数重なっています。この記事を読んで、依頼前の心構えをつかんでもらえると嬉しいです。
🔧 旧車レストアが「時間読めない仕事」である理由
新車や現行車の修理は、ある程度時間が読めます。
パーツの供給も安定していて、修理の手順もほぼ決まっているからです。
でも旧車は違います。
「開けてみるまでわからない」が当たり前の世界です。
🔍 理由① 剥がしてみて初めてわかるダメージ
💡 外から見える傷やサビは「氷山の一角」
- ✅ 塗装を剥がすと下地がボロボロ:外観上は軽微に見えても、内側の腐食は想定外の範囲に及ぶことが多い
- ✅ 鉄板の腐食・穴寸前:今回の案件でも剥がしてみると穴寸前の状態が発見された
- ✅ 見積もりが変わる:「3日かな」と思っていたのが1週間以上になることは珍しくない
これはサボっているわけでも、見積もりがいい加減なわけでもない。旧車修理の構造的な問題です。
🔩 理由② 部品が手に入らない
💡 パーツ探しだけで数週間かかることも
- ✅ メーカーが廃番:純正部品がすでに製造終了
- ✅ 社外品も製造終了:代替品もなく海外取り寄せになるケースも
- ✅ 中古品は状態が悪い:状態が悪かったりサイズが微妙に合わなかったりする
部品が届くまで作業がストップする。これが「なかなか連絡が来ない」という状況につながることがあります。決して忘れているわけじゃないんです(笑)
🏭 理由③ 1台に集中できない現実
正直に言うと、レストア車だけを受けていたら経営が成り立ちません。
通常の修理案件と並行しながら、隙間でレストアを進める形になります。
「今日はこっちの急ぎ案件を優先しないといけない」という判断が入る。旧車オーナーの方には申し訳ない部分もありますが、これが小さな板金屋の現実です。
⚙️ 理由④ 手を抜けない、でも効率化もできない
💡 旧車はマニュアル通りにいかない作業の連続
- ✅ 個体差がある:同じ車種でも1台1台状態が異なる
- ✅ 経年劣化の度合いが違う:劣化の進み方は車ごとに異なる
- ✅ 現代の材料・工具が合わない:現代の工具では対応できないケースも
結果として、すべての工程で「考えながら進める」必要があります。流れ作業ができないので、必然的に時間がかかります。
でもそれが旧車レストアの醍醐味でもある。完成したときの達成感は、普通の修理の比じゃないです。
💬 思うこと
旧車レストアは正直、儲かる仕事ではありません。
時間がかかる割に、工数を正確に見積もれないので利益が読めない。
それでも受けるのは、旧車を愛するオーナーの気持ちに応えたいから。「この車をもう一度走らせたい」という想いを形にするのが、やりがいになっています。
ただ、お客さんにお願いしたいのは「時間に余裕を持って依頼してほしい」ということ。「来月の車検に間に合わせてほしい」という依頼は、旧車レストアには向いていません。
納期より仕上がりを優先できるオーナーと一緒に、じっくり向き合う仕事がしたいと思っています。
📝 まとめ
旧車レストアに時間がかかる理由は、剥がしてみないとわからないダメージがある、部品の調達に時間がかかる、通常案件と並行しながら進める必要がある、手を抜けないため流れ作業ができない、といった理由が重なっているからです。
時間がかかること自体が、それだけ丁寧にやっている証拠でもあります。
🔧 旧車レストアを検討している方は、とにかく時間に余裕を持って相談してみてください。見積もりは無料ですし、話だけ聞いてみるのは全然アリですよ。




















