こんにちは、板金ボーイです。今回は板金のドリー(当て板)の種類と使い方を解説します。
前回は板金ハンマーの種類と使い分けを紹介しました。
今回はハンマーとセットで使う「ドリー(当て板)」について解説します。
💡 「ハンマーだけで叩けばいいんじゃないの?」と思う方もいますが、ドリーなしでは正確な板金修正はできません。その理由も含めて説明します。
🔧 ドリーとは何か
ドリーとは鉄板の裏側に当てる鉄製のブロックです。板金修正では、表からハンマーで叩きながら裏側からドリーで支えます。
この「表裏からの挟み込み」によって、鉄板を正確な形に整えることができます。ドリーなしで表からだけ叩くと、鉄板が伸びたり歪んだりして逆に状態が悪化します。
🔨 種類① ヒールドリー
💡 最も汎用性が高い・曲面全般に
形状が足のかかと(ヒール)のように曲線を持ったドリーです。板金ドリーの中で最も汎用性が高く、使用頻度も一番多いです。さまざまな曲面に対応できるため、ドアやフェンダーなど曲率のあるパネルの修正に向いています。
初めて板金を学ぶ人が最初に覚えるべき基本のドリーです。
🔨 種類② トウドリー
💡 狭い場所・プレスラインの際に
先端が細く尖った形状のドリーです。狭い場所や細かい部分に当てやすいのが特徴です。ドアの端やプレスラインの際など、他のドリーでは届きにくい箇所で活躍します。精密な作業が必要な仕上げ段階でよく使います。
🔨 種類③ コンビネーションドリー
💡 万能型・最初の一本に
複数の面を持つドリーです。平面・曲面・角度のある面など、一本で複数の形状に対応できます。工具セットによく入っている万能型で、まず一本持っておくなら迷わずこれです。
🔨 種類④ スプーンドリー
💡 狭い隙間への差し込みに
スプーンのように薄くて平らな形状のドリーです。狭い隙間に差し込んで使うのに向いています。ドアの内側や隙間の狭いパネルの裏側など、通常のドリーが入らない場所で使います。板金職人の中では「スプーン」と呼ばれることが多いです。
🔨 種類⑤ フラットドリー
💡 広い平面の修正に
名前の通り、表面が平らなドリーです。ボンネットやルーフなど、広い平面部分の修正でフラットハンマーと組み合わせて使うことが多いです。
🔧 ドリーの使い方:2つのテクニック
オン・ザ・ドリー
ハンマーを叩く真裏にドリーを当てる方法です。ハンマーの力がドリーに伝わることで、鉄板が伸びて広がります。へこみを引き出すときに使います。
オフ・ザ・ドリー
ハンマーを叩く位置からズラしてドリーを当てる方法です。ハンマーで叩いた振動がドリーに伝わることで、鉄板が締まって収縮します。鉄板が伸びすぎたときに使います。
この2つを使い分けることで、鉄板を思い通りの形に整えることができます。これが板金の基本であり、習得に時間がかかる部分でもあります。
🔧 ハンマーとドリーの組み合わせ
- フラットハンマー × フラットドリー:広い平面の修正
- ボディハンマー × ヒールドリー:曲面の修正
- ピックハンマー × トウドリー:狭い箇所の細かい修正
状況に合わせてハンマーとドリーを使い分けるのが、きれいな仕上がりへの近道です。
📝 まとめ
- ヒールドリー:最も汎用性が高い、曲面全般
- トウドリー:狭い場所・プレスラインの際
- コンビネーションドリー:万能型、最初の一本に
- スプーンドリー:狭い隙間への差し込み
- フラットドリー:広い平面の修正
ハンマーとドリーはセットで使う道具です。どちらか一方だけでは正確な板金修正はできません。
次回はスタッド溶接機(プーラー)について解説します。お楽しみに!
最後まで読んでいただきありがとうございます。板金塗装の道具や現場のリアルな使い方を、これからもプロ目線で紹介していきます。
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