ハコスカ全塗装⑩|サビ穴はハンダで埋めて、クラッチペダル下のフロアは鉄板で荒療治

ハコスカ
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前回(ハコスカ全塗装⑨)に引き続きフロアをハンダで埋めていき、溶接もやっていきます。同じような光景ですでに飽き飽きしている方もいらっしゃるかと思いますが、これがリアルです。
他の仕事もこなさないといけないのでつきっきりでは会社が回らなくなってしまいます。特に9月は色んなところからの納期でいっぱいいっぱい。納期という約束は守るという基本的なことは忘れてはなりません。(それにしても本当にパンパンな状況で疲れ果ててます笑)

話が逸れましたが進めていきましょう。

【この記事で知れること】

サビ穴を「ベルトサンダー→銅メッシュ+ハンダ→面出し」で埋める流れと、各工程のコツ

外側から鉄板を貼るだけでは、なぜ不十分なのか

手持ちの鉄板でプレスラインを再現する理由

スポットの箇所を切るときの注意点(と、失敗談)

救世主

前回のような大きな穴が埋められることがわかったのでサクサクと下地処理していきます。
ざっくりですが改めて工程を確認してみましょう。

①錆への対抗心を燃やします

赤い線で囲まれたフロアのサビ穴。右にエアーベルトサンダーが写っている
①赤い線で囲んだ範囲が、今回処理するサビ穴です

プロのひと言:まず「やる範囲」を目に見える形にする

最初に処理する範囲を線で囲っておくと、どこまで削るか迷いにくくなります。サビの削り残しも、必要以上に削りすぎてしまうのも防げます。

②サビをベルトサンダーで除去します

エアーベルトサンダーでフロアのサビを除去している様子
②ベルトサンダーでサビを落としていきます

プロのひと言:サビは「残さない」が基本。ただし完璧は求めすぎない

サビが残ったまま上から埋めると、下で再び進行して、盛り上がりや再発の原因になります。だから基本は、できるだけ落とします。

ベルトサンダーは細いベルトで、狭い場所のサビもピンポイントで落とせるのが強みです。ただし、削りすぎると鉄板が薄くなり、穴が広がってしまうので、ほどほどのところで止めるのがコツです。

③銅メッシュを活用してハンダで埋めます

サビ穴に銅メッシュを当ててハンダで埋めた状態
③銅メッシュを当てて、ハンダで埋めた状態

プロのひと言:銅メッシュは、ハンダの「足場」

大きな穴は、ハンダだけだと垂れてしまって埋まりません。そこで、穴にメッシュを当てて足場にし、網目にハンダを絡ませて保持させます。銅はハンダとなじみがよいので、この足場役にちょうどいい素材です。

④再びベルサンを手に取り面を整えて終了

※ハンダは指で押すくらいではびくともしないですが、削るとなるとゴリゴリ削れます。なので貫通させないように丁寧にやっていきます。

ハンダで埋めた部分をベルトサンダーで削って面を整えているところ
④ハンダの盛りを削って、周りの面とそろえます

プロのひと言:削りすぎ=穴を作り直すこと

ハンダは削りやすい分、勢い余ると貫通したり、周りより凹んだりします。削る前に「周りの面とそろうところまで」を決めておき、手で触って段差を確かめながら進めます。

こう見ると簡単に見えると思いますが、簡単です笑
サビの除去に関しては完全除去が望ましいですが、8〜9割を除去できていればなんとかなります。メッシュを使うなら尚更。
なので導入を迷われてるのであれば買ってしまえばいいのです!(自分の基本のスタンスでもあります笑)

ここまでの流れを、同じ場所の「施工前」と「施工後」で見比べてみましょう。

施工前:赤い線で囲まれたフロアのサビ穴

施工前(サビ穴)

施工後:ハンダで埋めて面を整えたフロア

施工後(ハンダで埋めて面出し後)

ざっと直すとそれなりの結果に

こちらの写真はクラッチペダル下のフロアです。これを見た方の中にこう疑問を持った方がいるのではないでしょうか?

クラッチペダル下のフロア。赤い線で囲んだ範囲が錆びて穴が空いている
クラッチペダル下のフロア。赤い線の内側が錆びて穴が空いています


👦(大きい穴が空いてるけど鉄板が見えるゾ)←5歳児

👓(内側に穴の輪郭があって向こう側に鉄板が見えている・・・てことは!?)←探偵

そうです、外側から鉄板を貼って終わってるんです。

これでは素人でも出来る。なので何かいい手段はないか考えました。

外側から鉄板を貼るだけでは、何がいけないのか

見た目は穴が塞がっているので、一見よさそうです。ただ、プロの目線で見ると、気になる点がいくつかあります。

  • 錆びた鉄板が残ったまま:穴の周りの鉄板は、すでに錆びて薄くなっていることが多く、上から貼るだけでは強度が戻りません
  • 合わせ目に水分や汚れが溜まる:重ねた部分から水が入り、貼った鉄板の裏側でまた錆が進みやすくなります
  • 車検で指摘される可能性:腐食箇所の強度や、人が触れるおそれの有無などは、車検の判断に関わると言われています

※要確認:上記3点は一般的な考え方をもとに整理しています。たくみさんの実務の感覚と合っているか、公開前にご確認ください。

車検の考え方や、DIYでできる範囲の見極めについては、車のフロアのサビ穴は自分で直せる?板金屋が教えるDIYの限界と車検のポイントで詳しく整理しています。

手持ちの鉄板で、プレスラインまで再現する

ありました。この黒い鉄板は数年前にプロボックスの荷室のフロアを板金した際に使用したものです。これで十分な範囲とプレスラインが再現できます。

穴のそばに置いた黒い鉄板。筋状のプレスラインが入っている
手持ちの黒い鉄板。筋状のプレスラインが入っています

プロのひと言:プレスラインは、見た目だけのものではありません

プレスライン(鉄板の筋状の凹凸)は、デザインのためだけでなく、鉄板に凹凸をつけることで、たわみにくくする役割もあります。平らな鉄板で埋めてしまうと、そこだけ硬さや形が変わって、元のフロアとの間でなじみにくくなります。

スポットの箇所を切る

スポットの箇所を切ります。
ドリルを使うのですがここで注意点。貫通させないことのみ。

スポットカッターと言って、普通の刃とは違う形状の物を使えば貫通することを減らせるのですが、いかんせんどこへいったのやら・・・

今回は一般的な刃で切ります。

スポットの箇所を切った部分のアップ。切断した跡が見える
スポットの箇所を切った部分のアップ

📖 もう少し詳しく:スポット溶接とスポットカッター

車のパネルは、点(スポット)で溶接されて重ね合わされていることが多く、パネルを外すときは、その点の部分を切って切り離します。このとき、上の鉄板だけを切り、下の鉄板までは傷つけないのがポイントです。

スポットカッターは、そのための専用の刃で、普通のドリルの刃より貫通しにくい形をしています。

あまり出番の少ないこのドリルを使います。しかしここでは通常のドリルでも作業できるのですが、こいつを引っ張ってきた理由はというと・・・

ただの気まぐれです笑
たまに遊び心を入れるのも大事だと思いますが私だけでしょうか?
否、結構な人数は頷いてくれると信じてます😃

フロアに置いたスナップオンのエアーアングルドリル
今回引っ張り出してきた、エアーアングルドリル

📖 もう少し詳しく:エアーアングルドリルとは

エアーアングルドリルは、圧縮空気で動く、先端の角度がついたドリルです。ヘッドが本体に対して曲がっているので、通常のドリルでは入りにくい狭い場所の穴あけに向いています。

紹介する商品名の「リバーシブルタイプ」は、回転方向を切り替えられるタイプという意味です。

参考までに、エアーアングルドリルの一例として、ストレートのリバーシブルタイプはこちらです。

鉄板を切る:失敗とリカバリー

ここで再び鉄板の登場。三角形のものも見えますね。はい、これ失敗してます・・・

フロアの穴に合わせて切った黒い鉄板。三角形に切った部分が見える
穴に合わせて切った黒い鉄板。三角形に切った部分が見えます

なんとかリカバリーできました😅

あの三角の鉄板をいい感じに切っていったところ、それもまた失敗してしまい新たに作り直しました。もったいない病の僕としては非常に悔しい😭

黒い鉄板をフロアにはめ込んで溶接した状態
作り直した鉄板をはめ込んで、溶接した状態

こんな感じで進んでおります!

作業中のフロア全体。溶接トーチやハンマーなどの工具が置かれている
作業中のフロア全体。まだまだ続きます

まとめ

今回は、サビをベルトサンダーで落として、銅メッシュとハンダで埋めて、削って面を整えるという、サビ穴の埋め方の手順を、コツと一緒にあらためて整理しました。クラッチペダル下のフロアでは、外側から鉄板を貼っただけの状態に対し、手持ちの黒い鉄板でプレスラインを再現しながら作業を進めました。失敗もありましたが、作業は少しずつ進んでいます。

次回もまた作業の続きをお届けします。

今回も最後まで閲覧いただきありがとうございました!

余談ですが、レザークラフトに手をかけ始めているんですよね。
前々から気になってたジャンルで、これがまた楽しいんです。

いつかそっちの方も記事にしていこうかと思っておりますので乞うご期待!

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