前回の続きです。(ハコスカ全塗装③|クォーターパネルの洗礼。波打つサーフラインとパテの下の黒い膜)
ハコスカ全塗装、4回目の今回は「面出し」と「ライン合わせ」の話です。カーボンパテの上に中間パテを盛り、手研ぎで面を整えていきます。さらに、ドアからクォーターへ続くラインのずれを叩いて合わせた工程もご紹介します。
- この記事でわかること:機械研ぎと手研ぎの使い分け
- 板金屋の必須道具「プチファイル」の使い方
- ドアとクォーターのずれたラインを合わせる考え方
前回までのおさらいと、今回やること
このシリーズも4回目になりました。①ではルーフに出た「ちぢれ」がきっかけで、旧塗膜の全剥離を決断。②は剥離とサビとの戦いでした。そして③では、クォーターパネルにカーボンパテを盛り、波打つサーフラインと格闘しています。
今回はその続きです。カーボンパテで大まかに作った形に中間パテを重ねて、仕上げに向けて面を整えていきます。
適材適所。なんでも機械がいいわけではない
カーボンパテを研いで、ある程度真っ直ぐになったら中間パテを盛ります。
📖 もう少し詳しく:パテは段階ごとに使い分けます
大きな凹みの形作りには、目の粗い厚付け系のパテを使います(今回はカーボンパテ)。その上に重ねる中間パテは、粗いパテの巣穴や研ぎ傷を埋めるためのパテです。仕上げに近づくほど、きめの細かいパテに変わっていくイメージですね。
パタパタを使わなかった理由
この面積を真っ直ぐ研ぐのは、かなり大変です。本音を言えば、以前紹介した「パタパタ」(②で登場した研磨機です)を使いたいところでした。
ただ、クォーターにはアール(外にふくらむ曲面)も逆アール(内にへこむ曲面)もあります。そこに機械が少しでも当たると、削れすぎてしまう可能性があるんです。気にしながらの作業では、最大限の仕事ができません。だから僕は、カーボンパテの段階から手研ぎに切り替えました。
手研ぎの相棒「プチファイル」(KOVAX)
使った道具はこれです。KOVAX(コバックス)から出ている「プチファイル」という商品ですね。

サイズ違いあり。LLは全然「プチ」じゃない
この道具は板金業界では必須のアイテムです。真っ直ぐ面を出したいときにも、今回のような逆アールにも使えるので重宝しています。写真に写っているプチファイルLは、余裕で片手で研げるサイズです。一方でLLは、片手だとギリギリのサイズ感です(笑)。全然「プチ」じゃないですね(笑)。もう一つ小さいサイズもありますよ。
裏返せば「定規」代わりにもなる
ちなみに、裏返して持ち手の面を当てがうと、真っ直ぐ研げているかを確認できます。僕は定規でもよくこの確認のやり方をしています。

僕が使っているプチファイルはこちらです。M・L・LLのサイズ違いで載せておきますね。
ドアからクォーターへ。ずれたラインを合わせる
次の問題はここです。ドアからクォーターに続くラインがずれています。


まずは建て付けの調整から
普段はドアの取り付けボルトを緩めたり、ドアキャッチを調整したりして「ちり」を合わせます。ちりとは、パネル同士の隙間や面の段差のことです。ところが今回のずれは、建て付けの調整ではどうしても解消できませんでした。

心を鬼にして、ハンマーで叩く
こうなったら、叩いてパテで形を作るしかありません。ドア単体で見ると綺麗なラインだったので、非常に心苦しかったです。それでも心を鬼にして、ハンマーで叩きました。

角度を変えて「ラインのつながり」を見る
研ぐときは、見る角度を変えながらラインのつながりを意識します。単純に横へ真っ直ぐ、ではないんです。こういうところが腕の見せどころですね。燃えます🔥(直線も、実はなかなか難しいですよ!)
📖 もう少し詳しく:面は「映り込み」で見ます
塗装前の面やラインは、光の映り込みを頼りに確認します。僕はシリコンオフを吹いて蛍光灯などの光を面に映して、その線が素直に流れていれば面が整っている証拠です。線が乱れていれば、まだ面が波打っています。
まとめ|ラインが決まれば、ハコスカはもっと格好良くなる
今回は、中間パテの手研ぎとラインのずれ修正をご紹介しました。機械はあくまで道具のひとつです。形状によっては、手研ぎのほうが確実に仕事ができることもあります。
ハコスカの行く末を一緒に見届けてくれる方は、ぜひブックマークをお願いします!シリーズの過去記事はこちらです。
ハコスカ全塗装①|ルーフを研いだら出てきた「ちぢれ」の正体と全剥離の決断
ハコスカ全塗装②|秘密兵器“パタパタ”投入。剥げば剥ぐほどサビが出てくる洗礼
ハコスカ全塗装③|クォーターパネルの洗礼。波打つサーフラインとパテの下の黒い膜
便利な道具もいろいろ紹介しているので、他の記事もあわせてご覧になってください!



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